2022年03月02日 更新
今回のコラムは、これからスタンダードになりそうな
「プロティアン・キャリア」についてのお話です。
将来のキャリアについて考えたとき、ゼネラリストとスペシャリスト(※)どちらになるべきか迷っている方も多いと思います。
(※)
ゼネラリスト…保有している知識や技術、スキルが広範囲にわたる人
スペシャリスト…専門分野や特定の領域に特化した知識や技術、スキルを保有する人
前提として、「どちらが優れている」と決めることはできません。なぜなら仕事に対する取り組み方や、求められている職務が全く異なるからです。それぞれの力が発揮されてこそ、組織は健全に機能するものですから。
しかし、AIの進化により世の中にある職業がなくなってしまったり、人生100年時代と言われる寿命の長期化、昨今のコロナウイルス感染拡大などのような予測不可能な変化が発生したりと、これまで以上にキャリア選択の「正解」が分かりにくい時代になりました。
環境変化の激しい時代においては、「唯一絶対のキャリア」にくくる必要はなく、自分のアイデンティティを大事にしつつ、新しいことを学んで成長し、変幻自在に変わっていける「プロティアン・キャリア」を身に着けていくことを考えてみましょう。
ちなみに「プロティアン」とは、ギリシャ神話に登場する神「プロテウス」を由来としています。プロテウスは予言力があり、みずからの姿を自由に変える能力の持主です。
1. 反応学習の力
新しい環境で求められる能力は何かを理解し、
学ぼうとすることで培われる力
2. アイデンティティを探索する力
自分の欲求や価値観、能力などを主体的に描き、自身に向き合えていること。自分の人生の主人公として、主体的に自分の物語を進んでいく力
3.反応学習の力とアイデンティティを探索する力を合わせ統合的に考える力
この3つのポイントをしっかりと認識できていれば、変わりゆく時代や環境にも、柔軟にアダプトしながら新たなキャリアを作ることが可能です。
従来のキャリア観は、「自分が必要とされているか」という他人からの評価や、組織を意識したものでしたが、
「プロティアン・キャリア」は、自尊心や「自分は何がしたいのか」という志を強く持つことが重視されています。
今後について少し立ち止まって考えたい時や、転職先を探す際は、今一度、自分自身の率直な希望や価値観について向き合ってみてはいかがでしょうか。
また新たな扉が開けるかもしれませんよ。